ライト造園考、 人工植物「フェイクグリーン」は 造園屋がお勧めしていいの?

今回は、
人工植物・フェイクグリーン・
造花についてお話を
させていただきます。

私は長い間、
造園屋がフェイクグリーンを扱うのは
アウトだと思っていました。
また、今も基本的には
生き物としての植物が
本来だと考えています。

しかし、植物が
絶対に生きていけない環境や、
手入れが行き届かない
状況だったとしても、
癒しのシンボルとして
植物を求めるお客様の気持ちは、
造園屋として尊重しなくてはいけない!
と、思うようになりました。

このような気持ちになったきっかけは、
姫路市の某施設の壁面緑化計画です。
設計段階では、
つる植物を植えて壁面を垂直登攀させ、
300㎡の壁面緑化を
実現しようという計画でした。

建築を担当されるゼネコンから、
事業主や建物オーナー、
設計事務所への
プレゼンを依頼されたのです。

壁面緑化の構造や
工法を具体的に考え、
工事に掛かる費用を
提示するところまで
プレゼンは順調に進んだのですが…

建築後の年間の植栽管理について、
緑化壁面の美観を維持していくために
「点検と手入れをしっかりと
行う必要がある」ことと、
「そのため年間の人件費・
材料費を30~50万円見込むべき」
ということを説明させていただくと
建物オーナーからの
ストップがかかってしまいました。

「どうして?」と思いましたが、
オーナー様曰く、
「毎年30~50万円費用が
発生するとしたら、
収支が合わないので、
計画が端から成立しない」とのこと。

その結果、つる植物を植栽する方法は
取り止めになり、
人工植物(フェイクグリーン)を使い、
壁面緑化することが決定されました。

腹立たしさをも感じた私は、
「ニセモノなんて植栽じゃない」
「そんなの造園屋の仕事じゃない」
と、はじめは思いました。
しかし、
生き物としての植物を、
壁面装飾として取り入れた場合の
将来の費用負担や、作業負担、
枯れたり、美観を維持出来なくなる
リスクを考慮すると
安易に壁面緑化を導入せず、
たとえ、初期投資が高くなっても
後の負担を減らしつつ、
生き物を枯らしてしまう
リスクを回避できる
オーナー様の判断は正しいと
考えるようになりました。

そして、この施設では
フェイクグリーンを利用した
外壁面の緑化装飾をすることに決まり、
次に問題となったのは、
その使用材料と
メーカー選定についてでした。

一番重要視したのは、
耐用年数です。
屋外に取付をするため、
紫外線による劣化が心配されました。
様々なメーカーを調査していくうちに
気が付いたのですが、
ほとんどのメーカーが
屋外使用を推奨せず、
屋外使用した場合の耐用年数を、
調査・実験していないという
事実でした。

多くのフェイクグリーン装飾資材は、
その多くが外国製(中国製が多い)で
資材としての耐久性実証や
データ公開が不十分な印象が強く、
日本のメーカーは
(メーカーというより商社?)
それらのフェイクグリーン商品を
輸入販売しているだけで、
屋外(耐紫外線)耐用年数については
データ公開もしていないところが多いと
わかりました。

そこで、
今回の物件で採用されたのは、
「ビスタフォリア」という
人工壁面緑化パネルです。
造花部分はポリエチレン製ですが
UVカット加工されており、
紫外線耐久性が高く、
屋外使用可能としている資材です。

もちろん、
屋外施工された実績があり、
施工後1年以上経過した実物を
この目で確認してみました。
目視では劣化は感じない状態で、
比較のために持参した
新品のビスタフォリアと並べると
少々の変色と手触りの変化が
感じられる程度でした。
ここまでやって、
ようやく安心と理解を得て、
採用に至りました。

はじめて使用する資材については、
どうしても心配しすぎてしまいます。
しかし、お客様や
施設を利用される方のことを考えながら、
仕事を進めていくのは、
造園屋・仕事人として
充実した気分になります。

私たちライト造園では、
フェイクグリーンをはじめ、
普段は取り扱わない商品であっても、
お客様にふさわしいものか
きちんと調べて、
積極的にご提案することが出来ます。
家の外廻り、お庭、
建物の外構についてのことなら、
なんでもご相談ください。

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当社は、兵庫県姫路市を中心に、

庭と魅力のある暮らしを愉しむ

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